蚊からデングウイルスが検出されたのを受け、大半が閉鎖され、閑散とする代々木公園。公園に隣接する写真右端には感染者が確認されたNHK放送センターの建物も見える=2014年9月4日午後、東京都渋谷区(共同通信社ヘリから撮影)【拡大】
都と国立感染症研究所は閉鎖後、蚊の生息場所を特定する調査を始めた。長靴や手袋を身に着けた約10人の職員が、やぶや木の根元で網を振り、蚊を捕獲していた。近くにある「聖ヨゼフ保育園」の園児は、蚊に刺されないよう長袖、長ズボン姿。登園時に虫よけスプレーを使い、1日から散歩や外遊びも中止するなど、対策を徹底している。山野弥生園長は「本当は外で遊びたいだろう。来週まで続くと、ストレスがたまるかもしれない」と心配している。
≪広範囲に生息 「駆除不十分」と専門家≫
東京・代々木公園で採集した蚊からデング熱のウイルスが見つかった。公園の西部と南部を中心に南北約900メートル、東西約400メートルと広範囲にわたり、ウイルスを保有する蚊の割合も十数~数十匹に少なくとも1匹と高い。専門家からは蚊の駆除が不十分との声が上がった。
東京都は都内で最初の感染者を確認した8月28日、感染者が蚊に刺されたと述べた代々木公園南側の渋谷門付近にある広場で、半径75メートルの範囲で殺虫剤をまいた。蚊の活動範囲は50~100メートルとされているとの理由からだ。