米軍が過激派「イスラム国」に対してイラクで空爆を開始してから8日で1カ月。オバマ政権は、凶悪行為を重ねる過激派の一掃を目指すが、不可欠とされるシリア側拠点への空爆拡大は容易でない。空爆作戦の出口は見えず、長期化の様相も呈している。
散発的で限定的
「地獄の門まで追い詰める」
ジョー・バイデン米副大統領(71)は3日の演説で、米国人記者2人を殺害したイスラム国に「裁き」を受けさせる決意を表明した。ただ、言葉の力強さとは裏腹に、展開中の空爆は散発的、限定的だ。
8月8日、ペルシャ湾の空母「ジョージ・ブッシュ」を飛び立ったFA18戦闘攻撃機2機がイラクのアルビル付近でイスラム国を攻撃。米中央軍によると、これまでに有人機、無人機による空爆を130回以上実施し、過激派の検問所や迫撃砲陣地、武装車両などを破壊した。