BBCによると、南極海では捕鯨が禁止される1966年までの間に34万6000頭が殺され、カリフォルニア・シロナガスクジラが生息する太平洋はそれよりは少ないものの、1905~71年の間に約3400頭が殺されたとみられている。
カリフォルニア・シロナガスクジラはアラスカ湾から中央アメリカのコスタリカにかけて広く分布し、プランクトンやイワシなどの餌を追って時に米西海岸に近づくことがある。
カリフォルニア・シロナガスクジラの太平洋での捕獲数の大半はロシアの船団によるものとみられているが、旧ソ連の「鉄のカーテン」による情報統制の下、最近まで科学者はその数すら知ることができなかった。
旧ソ連による捕鯨の全容が分かれば、カリフォルニア・シロナガスクジラを自力で再生させるためのデータとすることができるが、現在でも捕獲された場所や捕獲時の個体の体長などの詳細な記録は明らかにされていない。ロシアの閉鎖的な体質が原状回復を阻む「壁」となっている。