船との衝突を懸念
カリフォルニア・シロナガスクジラの個体数の自律回復に向け、研究者のもう一つの心配事となっているのが、カリフォルニア沿岸の海岸で起きているクジラたちの事故死だ。米西海岸では毎年、船との衝突で11頭以上のカリフォルニア・シロナガスクジラが死んでおり、個体数の回復を鈍化させている主要な要因になっていると研究者らは指摘している。
研究チームを主導したワシントン大のコール・モナハン氏はロイター通信の取材に「われわれの研究結果は、これによってカリフォルニア・シロナガスクジラの保護をする必要がなくなったということを意味するものではない」と前置きした上で、クジラの保護活動を続けていく必要性を次のように強調した。
「カリフォルニア・シロナガスクジラの個体数はわれわれが捕獲をやめ、モニタリングを行ったから回復した。もしそうしていなかったら、他の絶滅に瀕(ひん)しているシロナガスクジラと同じようにカリフォルニア・シロナガスクジラも絶滅のふちに立っていたことだろう」(SANKEI EXPRESS)