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【Message from the Ocean】はにかむ子クジラ 思わず笑顔 トンガ・ババウ諸島 (1/3ページ)

2014.6.20 17:30

海面で息継ぎをするため浮上した子クジラは、ひとしきり海面で遊ぶと、海中に留まり、身体を休める母親の元に戻って来る=2010年9月14日、トンガ・ババウ諸島(越智隆治さん撮影)

海面で息継ぎをするため浮上した子クジラは、ひとしきり海面で遊ぶと、海中に留まり、身体を休める母親の元に戻って来る=2010年9月14日、トンガ・ババウ諸島(越智隆治さん撮影)【拡大】

  • 母クジラは、長い胸びれをオールのように静かに動かして、ホバリングしながら同じ場所をキープしている。子クジラは安心しきったようにその母親の周囲を遊び回っている。こんなに近くで、ザトウクジラをずっと正面から見続けていられことは珍しい=2010年9月17日、トンガ・ババウ諸島(越智隆治さん撮影)
  • 島の目と鼻の先でブリーチングを行なうザトウクジラ=2010年9月2日、トンガ・ババウ諸島(越智隆治さん撮影)
  • 高い断崖絶壁や多くの島々に囲まれているババウ諸島は、クジラが子育てをするのに適した環境が整っているのだろう=2006年8月7日、トンガ(越智隆治さん撮影)
  • トンガ・ババウ諸島
  • 海洋フォトジャーナリスト、越智隆治(おち・たかじ)さん(本人提供)
  • 写真絵本「まいごになった子どものクジラ」(越智隆治著/小学館、1300円+税、提供写真)

 目の前、水深5メートルほどのところに、ザトウクジラの母子が、じっと動かずに留まって身体を休めている。子クジラは、水面まで浮上してきて、ひとしきり遊んだかと思うと、またゆっくりと潜降して、静かに胸びれを動かす母クジラのおなかの下に隠れるように潜り込んだ。しばらくすると、こちらの様子を伺うように、おなかの下から顔をのぞかせた。そのしぐさに、思わずマスクの中の顔がほころんだ。

 母クジラの体長は15メートル、子クジラでさえ5メートルはあるのに、その愛くるしさは、2~3歳の人間の子供が、母親の後ろに隠れて顔をのぞかせながら、こちらに向かってはにかんでいる様子となんら変わらない。僕は、彼女たちを驚かさない距離を保ちながら、「こわくないよ~」と心の中で、子クジラに話しかけながら、水面に浮いて静かに撮影を試みた。

 ここは、南太平洋にあるトンガ王国、ババウ諸島の海の中。日本の小笠原や沖縄では、北極海から回遊してくるザトウクジラが見られるシーズンは、1月頃から3月頃までだ。ザトウクジラは、北半球と南半球にそれぞれ分布していて、交わりがない。南半球にあるトンガ王国でも、毎年、冬の時期、7月頃から9月頃、南氷洋から北上してきたザトウクジラが姿を見せて、交尾、出産、子育てを行う。

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