ラッパーとしてステージに立つと、スイッチがオンになるのだというGOMESSさん(右)と一般社団法人「Get_in_touch」理事長、東ちづる。Low_High_Who?_Productionにて=2014年8月13日(山下元気さん撮影)【拡大】
日本でも広く知られるようになってきた「自閉スペクトラム症(ASD)」。多数派とは違う認知のメカニズムや特殊な感覚を持つため、コミュニケーションなどにハンディキャップが現れやすいといわれている。7月にデビューしたラッパー、GOMESSさんは、自閉症であることをカミングアウトして活動している。いったいどんな人なんだろう。話が聞きたくて、彼の所属する「Low High Who? Production」を訪ねた。
他の子とは違う自分
「GOMESS(ゴメス)」というミュージシャンとしてのネーム。まるで怪獣のようだと思っていたら、本当に怪獣の名前が由来だった。彼の父親いわく「長男だから、(怪獣番組の)『ウルトラQ』の第1話に登場する怪獣の名前をつけたかった」。周囲の猛反対から断念。本名は森翔平。だが父親やその周囲の人はずっと当たり前のように彼を「ゴメス」と呼んでいた。子供の頃から、2つの名前があったそうだ。