「好き」振りまく
作品には登場人物が抱くさまざまなタイプの「好き」が登場する。ハルが吾朗に寄せる「好き」はとてつもなく大きなもので、厳密に言えば親が子を思う「愛」に近いものだった。前野が考える「好き」といえば、人間関係を円滑にする善行のようなものだろう。「自分よりも相手を優先し、相手を思う気持ちを大事にしたい。そんな生き方が他者への『好き』につながっていく。僕はそんな生き方を目指しています」
前野は、谷こそいつも前野が抱く「好き」を実践している、すてきな人物に思えてならない。「谷さんは気配りの人。いつも『愛』のような『好き』を振りまいて、周囲を明るく楽しくしてくれるんですよ」。よくよく聞けば、ハルのエッチないたずらシーンに対し、前野は「緊張しっぱなし」どころか、だんだんと「今を存分に楽しもう」という気持ちが沸々とわき起こってきたというではないか…。公開中。(高橋天地(たかくに)、写真も/SANKEI EXPRESS)