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【iPS細胞】世界初移植手術 高めた安全性 入念準備、実を結ぶ (2/5ページ)

2014.9.13 07:30

幹細胞培養室での実験を視察する理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの高橋政代プロジェクトリーダー(左)=2013年2月、兵庫県神戸市中央区(共同)

幹細胞培養室での実験を視察する理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの高橋政代プロジェクトリーダー(左)=2013年2月、兵庫県神戸市中央区(共同)【拡大】

  • iPS細胞(人工多能性幹細胞)による移植治療=2014年9月12日現在、※写真は京都大・理化学研究所提供

 高度な技術が求められる既存の眼科手術と同様に眼球内で出血が起きる危険性や、未知のリスクもあったが、手術は無事に終了。執刀した先端医療センター病院の栗本康夫眼科統括部長は会見で「移植した細胞は理想的な位置に入れられた」と語った。

 iPS細胞で初の移植手術が加齢黄斑変性の患者で実現したのは、安全面などで多くの優位性があるためだ。iPS細胞は未分化の細胞が混じると移植後に腫瘍ができる恐れがあるが、色素上皮は褐色のため他の細胞と区別しやすい。万一、腫瘍ができてもレーザーで簡単に除去できる。

 チームはさらに安全性を確保するため、あらゆる方法を取り入れた。iPS細胞は開発当初、がん遺伝子を導入して作られたが、今回は使用せずに作製。細胞の遺伝子に傷を付けない導入方法も採用した。

 細胞の品質を慎重に確認し、山中伸弥京都大教授(52)らの協力でゲノム(全遺伝情報)を解析。安全なiPS細胞の作製や選定に関する最新技術も活用し、国の審査で了承を取り付け移植を実現させた。

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