≪ライバルは夫 網膜再生研究第一人者、高橋政代さん≫
iPS細胞を使った世界初の臨床研究を率いる理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の高橋政代・プロジェクトリーダーは、網膜再生研究の第一人者だ。
ライバルで京都大iPS細胞研究所教授の夫、高橋淳さん(52)と一緒に留学していた米国で再生医療研究のきっかけをつかみ、共に実現を夢見てきた。
1995年に淳さんとともに米ソーク研究所に留学し、神経のもとになる神経幹細胞を研究。その後、体のさまざまな細胞や組織になるサルの胚性幹細胞(ES細胞)から作った網膜の細胞が移植に利用可能であることを確認した。
だが受精卵を壊して作るES細胞の倫理上の問題や安全性の確保が壁となり、研究は前に進まなかった。