≪伝統に培われた技を新しい発想に生かすと「ものづくり」の可能性が広がる≫
さまざまな種類のトマトが、ショーケースに果物やスイーツのように並ぶトマトの専門店。最近は糖度の高さゆえ野菜なのか果物なのか?という「ブランドトマト」が多くみられるようになりました。出羽三山の清らかな地下水と庄内平野の豊かな土壌、そしてITによる生産管理によって生産される「窪畑ファーム」のトマトもその一つ。今回は地元の建設業から農業へ異業種参入を果たし、地域のブランド化にも取り組む「窪畑ファーム」代表の山本斉さんを山形県鶴岡市に訪ねました。
「窪畑ファーム」の母体は地元・鶴岡市の総合建設会社「山本組」。近年多くの企業が模索する異業種参入の一例として、全国的に注目されています。
農業参入のきっかけは公共事業の縮小により厳しい状況にある建設業界で、社員の雇用を維持するために、本業以外の収益事業を探していたことから。たまたま新聞で読んだ「アニス農法」という有機栽培の土作りへのこだわりに閃(ひらめ)きを感じ、すぐに、この農法を開発した千葉県の企業まで視察に行き、そこで食べたパプリカの美味(おい)しさに感銘を受けたのが決め手となりました。