本来、米国とは敵対関係にあるイランも、イスラム国をめぐっては米国と「呉越同舟」の状態にある。イスラム教シーア派の大国イランは、スンニ派が牛耳るイスラム国の打倒を画策し、自国の精鋭部隊である革命防衛隊の中からアラビア語が達者な兵士を選抜して密かにシリアに派遣。同志を装ってイスラム国に潜入させ、幹部の暗殺を図っているとの情報もある。
現在の状況を招いたのは、1年前にシリア内戦での化学兵器使用が確認され、米国を中心にシリアのアサド政権打倒のための軍事介入が検討されたが、結局「アサド退陣」シナリオをめぐって米国とロシアが国連安保理で対立し、軍事介入が見送られたことが伏線になっている。その軍事力の空白に乗じ、イスラム国が台頭した。そして今、国際社会はアフガニスタン、イラクに続き、逆輸入された自国民テロリストとの「新たな戦争」に直面しつつある。(SANKEI EXPRESS)