イラク連邦議会は8日夜、ハイダル・アバディ首相候補(62)が提出した閣僚名簿を賛成多数で承認し、アバディ政権が発足した。主要各派が参加したが、治安を担う焦点の国防相、内相は未定。目標だった「挙国一致体制」の確立には至らず、10日の組閣期限を前に見切り発車となった。
新政権は北部の主要都市を支配するイスラム教スンニ派の過激派「イスラム国」との対決が最優先課題となる。アバディ新首相は8日の演説で「結束してテロ集団から国土を解放し、治安と安全を取り戻す」と誓った。イスラム国がイラク北部の主要都市モスルを電撃的に制圧してから10日で3カ月だが、支配地域の住民から一定の支持を得ているほか、隣国シリアの戦闘で市街戦の経験がある難敵。早期撃退への戦略はまだ見当たらず、紛争が数年に及ぶのは必至の情勢だ。
マリキ前政権のシーア派優遇政策が他勢力の離反とイスラム国の台頭を招いたことを踏まえ、スンニ派やクルド人も副大統領、副首相などに起用。国防相と内相の人事は約1週間の先送りを表明した。
シーア派内に影響力を残すマリキ前首相を儀礼的なポストの副大統領の一人として処遇し、クルド人のジバリ前外相は副首相に。外相にはシーア派のジャファリ元首相が、石油相にはシーア派のアブドルマハディ元副大統領が起用された。