マリキ氏は4月末の総選挙で勝利し、3期目の首相続投が確実視されていた。しかし、6月のイスラム国進攻を受けた国家分裂の危機に対応できず、内外の圧力を受けて8月14日に退陣を表明した。
オバマ米大統領は8日、アバディ新首相と電話協議し、新政権の承認に祝意を伝えるとともに、イスラム国の脅威に対抗するため一層緊密な連携を図る方針で一致した。
アバディ首相は、内相にシーア派民兵指導者を据えようとしたが、他派との調整が難航。スンニ派の起用を検討する国防相とともに人事を先送りせざるを得なかった。
政権の顔触れは、副大統領のマリキ氏を含め、各派の重鎮がずらり。イラクの専門家は「長年のライバル同士も多く、イスラム国撃退に向けた真の挙国一致体制がつくれるかどうか予断を許さない」と分析する。
それでも各派が期限内に閣僚を承認したのは、新政権を発足させなければ米欧から十分な軍事支援を受けられず、イスラム国に対峙できないとの危機感が背景にある。