「来年は30歳。30代をしっかり迎えられるように、いろいろなものを吸収したい」と話す藤田貴大(たかひろ)さん=2014年9月9日、東京都中央区の水天宮ピット(野村成次撮影)【拡大】
当たり屋という題材について藤田は「リアルタイムのトピックではないが、母親の“母性のねじれ”というテーマは、いまの日本にも通じる。子供を虐待する母親は、子供を愛していないのか。そうした母性に焦点を当てたい」と話す。野田がこの戯曲を書いたのは、自分と同じ年代の28歳。1つの「青春劇」として捉える面もある。
飴屋の「破壊力」に期待
舞台関係者とミーティングを重ね、「広い年代層に見てもらおう」と悩んだキャスティング。ベテランの飴屋と松重豊(51)を起用したのも、そのねらいだが、飴屋起用の理由には、既存の価値観をこわしてきた「破壊力」を挙げる。
飴屋は唐十郎(74)の「状況劇場」などで前衛的な舞台活動を展開する一方、美術でも肉体にこだわった輸血や人工授精などを題材にした作品を発表し、いつも常識を打ち砕いてきた。「飴屋さんはいつも、虚構ではなく、ドキュメントしている」と、今回の舞台でもやってくれそうな“荒業”に期待する。