日本最大級のモスクである「東京ジャーミイ」の荘厳な堂内。案内してくれた下山茂さん(左)と、一般社団法人「Get_in_touch」理事長の東ちづる=2014年9月5日(取材協力:東京ジャーミイ・トルコ文化センター、山下元気さん撮影)【拡大】
最近の報道で「イスラム」という言葉はよく耳にする。では、いったい「イスラム教」とはどんな宗教で、「ムスリム(イスラム教徒)」とは、どんな人たちなのか、きちんと知っている日本人はどれくらいいるだろうか。そこで以前から「美しい建築物だなぁ」と気になっていた、東京都渋谷区の代々木上原駅にほど近いモスク(イスラム教の礼拝堂)「東京ジャーミイ」を訪れ、自身もムスリムで広報を担当する下山茂さんに話を聞いた。
「知識得る機会少ない」
全国におよそ80カ所あるというモスクの中でも最大規模を誇る東京ジャーミイは、観光客も多く訪れる。誰でも見学できるよう開放されている。とはいえ、女性は肌を見せないよう長袖にロングスカートかパンツ、髪の毛も見えないよう「ヒジャブ」と呼ばれるスカーフを頭に巻く。オスマントルコ様式の荘厳な堂内に入ると、ちょっとだけ緊張する。だが、光が差し込むステンドグラスや、アラベスク(植物がモチーフの紋様)、ブルーの装飾タイルに描かれたアラビア文字の幻想的な美しさにやがて心も落ち着いてくる。