香港で「真の普通選挙」を求める学生を中心としたデモ隊2万人は2日夜から3日未明にかけ、行政長官弁公室(官邸)と政府本部庁舎を包囲し、政府機能が一時まひ状態となった。梁振英行政長官は2日深夜の緊急記者会見で、学生らから突き付けられた辞任要求を拒否する一方で、ナンバー2の林鄭月娥政務官に学生との対話に当たるよう指示した。
だが、デモ隊には、9月下旬に警察当局に逮捕された17歳の民主化運動リーダー、黄之鋒(ジョシュア・ウォン)さんが釈放されて復帰し勢いを増している。幹線道路を占拠する大規模デモが開始されてから4日で1週間になるが、学生と香港政府の間に妥協の余地はなく、収拾の道筋は見えないままだ。
路線バス運休相次ぐ
梁氏が辞任を拒否したため学生らは3日も包囲を継続し、本部庁舎に勤務する約3000人の職員の多くが出勤できず、政府業務は停止した。
官邸前では警官らの食事を運ぶトラック2台がデモ隊に阻まれる一方で、官邸から車両が出る際に警官が強制的に通路を確保しもみ合いの混乱になった。