香港の次期行政長官選挙での民主派排除を決めた中国に抗議する学生らのデモ隊は、30日も金融街セントラル(中環)の隣接地区などで座り込みを続けた。中国の国慶節(建国記念日)である10月1日と翌2日は祝日で、さらに多くの市民が参加すると予想され、事態収拾の見通しは立っていない。
親中派の梁振英行政長官は30日、記者会見し、市民生活や経済に大きな影響が出ているとデモを批判。収拾までしばらく時間がかかるとの見通しを示す一方、中国軍の出動は不要だと述べた。
今後は当初民主派が呼び掛けた通り、金融大手の拠点が集まる中環中心部に占拠が拡大するかどうかが焦点。金融機関が業務を再開する3日以降も占拠が続けば「アジアの金融センター」の機能に打撃を与え、混乱が一段と深まりそうだ。
デモ隊は中環隣接地区のアドミラリティ(金鐘)など3カ所で幹線道路の一部を占拠。周辺の交通は遮断され、学校の休校や商店の休業も続いた。香港株式市場は続落して取引が始まり、約40カ所の銀行支店や現金自動預払機(ATM)なども引き続き閉鎖された。国慶節を前に観光への影響も懸念されている。金鐘の占拠は3日目。民主派は1日に「第2段階」の行動を発表してデモ継続を呼び掛ける予定だ。