揺らぐ一国二制度
「解放軍の出動は必要ない」。梁氏は30日の記者会見でこう断言した。しかしネット上には、香港に隣接する中国広東省深●(=土へんに川、しんせん)市に軍部隊が集結しているとの未確認情報もあり、梁氏の発言は逆にデモ鎮圧に武力介入も現実にあり得ることを市民に印象づけた。
香港の憲法に当たる「香港基本法」18条は「中国の全国人民代表大会(国会)常務委員会は、香港政府がコントロール不可能な動乱が香港で発生した場合、中央政府が中国の法律を香港で実施する」と規定。中国側は戒厳令発令や解放軍投入は可能だとしている。
抗議行動に参加する学生らは「軍が出動するなら即座に解散する」と口をそろえ、収拾に有効ではある。しかし、1989年に中国の学生らの民主化運動を武力弾圧した天安門事件を想起させ、国際社会から極めて厳しい批判が起きることは確実。高度な自治を認めた「一国二制度」も崩壊し、香港は危機的状況に陥る。