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【御嶽山噴火】「突然晴れた濃霧と強烈な臭い」 35年前の御嶽教訓「前兆見逃した」 (2/4ページ)

2014.10.6 09:35

大雨による土石流で孤立する恐れがあるとして、避難勧告が出された長野県木曽郡王滝村滝越地区=2014年10月6日午前(川口良介撮影)

大雨による土石流で孤立する恐れがあるとして、避難勧告が出された長野県木曽郡王滝村滝越地区=2014年10月6日午前(川口良介撮影)【拡大】

  • 火山灰がこびりついた愛用のカメラを見つめ、当時の状況を語る津野祐次さん=2014年10月2日、長野県伊那市(玉崎栄次撮影)
  • 【御嶽山噴火】土石流により川が氾濫する可能性がある範囲/土石流のおそれがある範囲=2014年10月5日現在、長野県木曽郡木曽町、木曽郡王滝村。※国土交通省作成
  • 【御嶽山噴火】被害状況(2014年9月28日~10月1日)。※2014年9月27日午前11時53分ごろ、長野県と岐阜県にまたがる御嶽山(おんたけさん、標高3067メートル)が噴火した。
  • 長野・岐阜両県にまたがる御嶽山(おんたけさん、3067メートル)=※カシミール3Dで作製

 いつもと異なる現象は続いた。噴火30分前。8合目半から200メートルほど進んだときだ。不意に卵が腐ったような臭気が鼻を突いた。「いつもよりきついな」。1キロほど西の「地獄谷」と呼ばれる急峻(きゅうしゅん)な谷ではいつもこの臭気がただよっている。「風に乗って、こちらまで流れてきたのかな」

 その30分後、頂上まで残り200メートルほどの地点に立つと、薄黒い夏の積乱雲のような大きな雲が頂きを覆っていた。登山者たちは一様に、その異様な光景を見上げていた。噴煙だった。そう気づくや否や、「パチーン」と花火のような乾いた音が響いた。

 山頂付近にいた登山者らは助け合いながら、急いで下山を始めた。「年配の方どうぞ!」「子供は先に!」。背後から巨大な壁のような噴煙が迫る。山小屋に逃げ込む人、さらに下る人とさまざまだった。

 煙に追いつかれた。真っ暗だった。熱い砂が舞っていた。周囲で雷鳴が何度もとどろいた。じっと伏せて待った。「我慢できる限界の暑さだった」。煙が晴れた。近くにいた男性は「子供とはぐれてしまった」と再び山頂へ向かった。津野さんは近くの山小屋へ一時避難し、無事に下山した。

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