一方、中間報告ではグローバルな日米協力として、国連平和維持活動(PKO)、テロ対策、海賊対処活動などで連携を強化することがうたわれた。オーストラリアなどを念頭に「地域の同盟国やパートナーとの三カ国間」の防衛協力も盛り込まれた。
また、「新たな戦略的領域」として宇宙・サイバー空間での協力も明記した。
≪中国の脅威警戒 あらゆる事態対応≫
日米両政府が8日にまとめたガイドラインの再改定の中間報告では、活動範囲や任務が広がり、防衛協力上の制約となっていた「地理的概念」が外れることが明確になった。米政府は再改定作業への評価を表明する一方で、中韓両国からは警戒の声が上がった。
現行分類には限界
前回、ガイドラインを改定した1997年と現在を比較すると、日本を取り巻く安全保障環境の大きな違いは、急速な軍拡と海洋進出を進める中国の存在だ。
今回の新ガイドラインの中間報告でも、名指しこそ避けたが中国の脅威に対する危機感がにじむ。その最たるものが、主に朝鮮半島有事で対米支援を行うために生み出された概念「周辺事態」を撤廃した判断だった。