屋久島の自然の中で丁寧に手をかけて作られるタンカン。見た目が多少悪くても、皮まで使い切れる安全さと、香り豊かなおいしさには定評があります。しかも出荷できないグレードのものは肥料化し、完全に循環をさせるなど徹底したエコ対応。その真摯(しんし)な取り組みを知る鹿児島県の有機生産組合からの紹介で、化粧品原料として活用する道も開けました。爽やかなタンカンの蒸留水がミストやジェル、ハンドクリームに形を変え、屋久島の香りを届けてくれます。
現在、吉田集落も高齢化をむかえ住民数も減少しつつあります。しかし、「生まれた土地で、皆が豊かに暮らすために仕事を全うすることこそ自分の生きざま」という田中さんの思いは、これからも受け継がれ、新しいものづくりにつながって行くことでしょう。(SANKEI EXPRESS)
■田中秀志(たなか・ひでし) 1945(昭和20)年1月2日、屋久島生まれ。鹿児島県立屋久島高校、専修大学法学部卒業後、大阪で就職。74年に家族とともに屋久島にUターンし田中農園を開く。2002年、有機JAS法「認定証」を取得。夫婦二人三脚で有機農法での果実作り、屋久島固有種の栽培に取り組んでいる。
問い合わせ先:田中農園
〒891-4202 鹿児島県熊毛郡屋久島町吉田71 (TEL・FAX)0997・44・2780