KGBも嫌がらせ
こういうことがあると、ソ連時代の記憶がよみがえってくる。当時、外交官や新聞記者は、KGB(ソ連国家保安委員会=秘密警察)からさまざまな嫌がらせをされた。筆者はたばこを吸わない。しかし、帰宅すると、灰皿に吸い殻がいくつか入っていた。風呂場の壁の中から突然、ラジオが鳴り出した(盗聴器のマイクはスピーカーの機能も果たす)。また、交通警官を装う秘密警察官に殴られたこともある。リトアニアでは、秘密警察関係者と思われる私服の男からしびれ薬入りのウオツカを飲まされた。産経新聞のモスクワ支局員もソ連当局からさまざまな嫌がらせをされた。車のタイヤにくぎが刺されパンクするなどということもよくあった。こういう経験をしているので、筆者は新聞記者が不当な目に遭わされているとひとごとのように思えないのだ。
産経新聞関係者と本紙並びに産経新聞の読者に相談したいことがある。筆者は職業作家である。韓国との問題を含め、外交問題については、過去にさまざまな記事を書いている。筆者が韓国に出張し加藤氏と面会し、その内容を日本のマスメディアで伝えることで、この問題の深刻さを韓国に認識させることはできないであろうか。もちろん交通滞在費は筆者が負担する。加藤氏や産経新聞に迷惑をかけるならば、こういうことはしない。皆さんの意見を聞かせてほしい。(作家、元外務省主任分析官 佐藤優(まさる)(SANKEI EXPRESS)