米テキサス州の病院でエボラ出血熱で死亡した患者の検体に触れた可能性がある女性職員が乗ったカリブ海クルーズ船「カーニバル・マジック号」が19日、中米ベリーズやメキシコに入港を拒否された末、出港した米テキサス州ガルベストンに戻った。女性は他の乗客と接触を持たぬよう自主的に部屋にこもったまま過ごしたが、下船した乗客は「怖かった」と船内がパニック状態だったことを暴露。米保健当局は、医療従事者の二次感染を防ぐため、従事ガイドラインを厳格化する方針を19日に発表したが、全米ではここ数日間にエボラ熱感染への過剰反応ともいえる騒動が相次いでおり、「火に油を注ぐ」との指摘も出されている。
放浪船帰港、職員は陰性
AP通信によると、女性職員は19日、検査で陰性と判明し、終着点であるガルベストンで下船、夫とともに帰宅した。女性は検査担当で、テキサス州で死亡したリベリア人男性の血液などのサンプルを9月下旬に扱った。潜伏期間から逆算して女性がまだ発症する可能性もあったため、米国務省が17日に女性の乗船を発表、これが逆にパニックを引き起こす結果となった。
船には4000人以上が乗っており、女性は結局、客室を出ずに夫と過ごした。ロイター通信によると、入港前に血液のサンプルを提供。サンプルは検査のためヘリコプターで運ばれ、陰性が確認されたため、下船することができた。