西アフリカから世界各地に飛び火し始めたエボラ出血熱の感染拡大を水際で防ぐため、米国境警備当局と疾病対策センター(CDC)は11日、ニューヨークのケネディ国際空港で入国者の体温を測定するなど検疫の強化に乗り出した。1週間以内に他の4空港でも始める。米国では、入国したリベリア人男性がエボラ熱を発症して死亡し不安が一気に拡大。12日には男性の治療に当たった病院のスタッフがエボラ熱陽性と診断された。空港や航空機内では体調不良を訴えた人が隔離される事態が頻発。冗談で「私はエボラだ」と叫んだ男性が連行される騒ぎも起きており、パニック拡大が懸念されている。
経由便から乗客特定
「明らかにクレイジーだと思ったよ。僕は2時間も待たされた」。西アフリカのギニアからパリ経由でケネディ空港に到着したインディアナ州の男性(22)は、ロイター通信にこう呆れてみせた。
対象となるのはエボラ熱感染が深刻なギニア、リベリア、シエラレオネの3カ国からの入国者。税関や国境警備局(CBP)の職員が、健康状態やエボラ患者との接触の有無などを質問し非接触型の体温計で測定も行う。3カ国から米国への直行便はないが、経由便から乗客を特定する。