連行…笑えない冗談
不安を背景に、空港や機内では感染疑いによる隔離騒動が頻発している。ロイター通信などによると、4日夜、ベルギー・ブリュッセル発の米ユナイテッド航空機内でリベリア人の男性乗客が嘔吐したため、ニューアーク国際空港に着陸後、防護服を着た係官が乗客を退避させ、一時隔離。8日には女性乗客の嘔吐でアメリカン航空機がテキサス州の空港に緊急着陸。10日にもデルタ航空機内で乗客が体調不良を訴えたため、到着したラスベガスの空港で飛行機ごと駐機場に一時隔離された。
極め付きは、8日に起きた騒動。米CNNテレビによると、米フィラデルフィアからドミニカ共和国に向かったUSエアウェイズの機内で米国人男性が「私はエボラだ。みんな巻き添えだ」と叫び、到着後に防護服を着た係官に連行された。機内は一時騒然としたという。
「エボラ熱パニックが広がり、不必要な通報が殺到すれば、救急システムがパンクする」。救急医療の専門家はロイター通信にこう警告した。
過剰反応で航空機による世界的な人の移動に支障が及ぶ事態となれば、世界経済の停滞にも発展しかねない。(SANKEI EXPRESS)