背景に原油価格下落
インフレの長期化はロシア社会に、混迷を極めたソ連崩壊後の悪夢を思い起こさせる。
10月9日付の露紙独立新聞はインフレは冬に深刻さを増し、「住民の買い控えを引き起こす」と指摘。すでに、人々の余暇への出費は抑制され、旅行会社の倒産が相次いでいるという。ロシア市場で展開する日本の自動車メーカーの駐在員もルーブル安の影響を輸入車の価格に転化せざるを得ず、「もう商売にならない」と嘆いている。
8月からの急激なルーブル安はウクライナ情勢をめぐる欧米との摩擦激化よりも、ロシアの収入源である原油価格下落による先行き不安の方が、影響が大きいとの分析がある。中国などでの景気減速による世界的な需要の伸び悩みが原因で、原油価格の国際指標である北海ブレント原油の先物価格は1バレル=80台ドル前半まで落ち込んだ。
ロシア政府は1バレル=105ドル前後を1つの軸として国家予算を組んでおり、原油価格の落ち込みで、政権が地方活性化と求心力維持のために組んだ“ばらまき”大型プロジェクトは修正を余儀なくされている。