100年以上の歴史があるカフェ「ラグマリチーノ」。リンゴをキャラメルなどでカバーした季節ものの「キャラメル・アップル」作りに追われていた=2014年10月12日、米イリノイ州モリーン(緑川真実さん撮影)【拡大】
古き良きアメリカを知りたければ、イリノイ州を訪ねるのがいい。国際線の玄関口シカゴから自動車で郊外に出れば果てしなく畑が広がる。州面積の8割近くを占める畑で作るのは、主にトウモロコシと大豆。ともに米国内で1、2位を争う生産高で、日本ではまずお目にかからない、巨大なトラクターなど農機具が点在する。
ミシシッピ川沿いの街、モリーンには、全米随一の農機具・建設関連機器の製造・販売会社であるディア&カンパニーの本社がある。1800年代前半、鍛冶屋だったジョン・ディアが、イリノイ州の肥沃(ひよく)な土地に、ドイツやアイルランドなどからの移民が集まっていたのに着目して創業。シカをあしらったロゴマークの「ジョンディア」ブランドで世界的に知られる。
入場無料のパビリオンには10月中旬の週末、多くの家族連れが訪れ、農機具の前で記念撮影をしていた。パビリオンで働くアンさんは「最近はうちの会社も事業を広げて、農機具を中国や南米に輸出したり、家庭用自動芝刈り機を売ったりしているわ」と話す。