次に向かったのは川内村。遠藤雄幸村長自らが、川内村の現状や思いについて話してくれた。遠藤村長は「原発事故によって森が汚れ仕事ができなくなった、というような分かりやすい問題ではない。代々の歴史を止め、生き方やプライドまでをも失わせた人生的な問題である」と語り始めた。
事故後の情報入手、政府との連絡、避難者の受け入れ…。小さな村が処理するには大きすぎる難題の連続だったことが伝わってきた。新聞やテレビを通して少しは分かっているつもりだったが、最前線で闘っていた人の話を聞くと、現場の混乱、責任の重圧、判断の重みなどすべてが想像以上だった。
前向きな村長の言葉
一方で、「選択・判断・自立」を復興のキーワードに掲げ、「前向きに進もうとしている」という気概も伝わってきた。「東電や国はお金をくれるけど、実際にそれらを使い動くのは、われわれである」と、遠藤村長は語った。森林除染についての費用対効果の問題でも「国民の税金を使っているのだから、胸の張れる使い道をしなくてはならない。胸は下向きでは張れない。前向きでなくてはならない」と力強かった。