トックリ松明が街道を往来した後には小学生、中高校生へと交代して、担ぐ松明もだんだん大きくなっていった。最後には大きいものでは100キロもあるという長さ数メートルの大松明を昔ながらの正装束姿の男たちが担ぎ、火の粉を散らしながら練り歩いた。
「サイレイヤー、サイリョウ」の大合唱が山間の集落にこだまし、煙であたりが白く霞む。煙で目が痛いほどだった。午後8時を過ぎたころ、それまで街道を練り歩いていた松明が火の粉を豪快に舞い上げながら山門前の石段に集結し始めた。松明はひしめき合い、競い合うように燃え盛る。
午後9時過ぎ、いよいよ祭りはクライマックスへと突入だ。太鼓や鉦(かね)が鳴り響く中、石段に松明が勢ぞろいした。ひと際大きな太鼓の合図とともに注連縄(しめなわ)が切られると、松明を置いた男たちがわれ先にと石段を駆け上る。その先には2基の神輿(みこし)。置いてきた松明が燃え盛る中、今度は神輿渡御(とぎょ)が行われ、最高の盛り上がりを見せたのだった。(文:田中幸美(さちみ)/撮影:写真報道局 恵守乾(えもり・かん)/SANKEI EXPRESS)