競馬ライターとしての顔も持つが、それも貧乏生活あってこそ。「生活費を稼ぐためにあまりにも真剣に競馬をやっていたら、いつの間にかそれが仕事につながっていた。貧乏も悪いことばかりではない。それでもやっぱりないとつらいのが、お金というものの不思議さですね」
貧乏神に心当たりがある人も、ない人も、ドキッとさせられる現代の妖怪譚(たん)だ。(塩塚夢、写真も/SANKEI EXPRESS)
■たにがわ・なおこ 1960年、神戸市生まれ。2012年『おしかくさま』で第49回文芸賞を受賞。他の著書に『競馬の国のアリス』『お洋服はうれしい』などのエッセーがある。
「断貧サロン」(谷川直子著/河出書房新社、1404円)