【本の話をしよう】
ベストセラー『嫌われ松子の一生』などで知られる作家、山田宗樹さん(48)の新刊『ギフテッド』が刊行された。未知の臓器を持って生まれた人類「ギフテッド」をめぐる、一気読み必至の近未来型ミステリーだ。
着想は十数年前
アメリカに住む13歳の少年の体内に未知の臓器が見つかった。以降、同様の臓器を持つ子供たちの存在が相次いで確認される。いつしか彼らは、羨望とおそれを込めて「ギフテッド」と呼ばれるようになった-。
着想は十数年前。「新聞でがんの特集記事を読んだんです。がんはもちろん怖い病気だけど、未知の臓器に変化しうる存在かもしれない。そこからアイデアを得て一旦プロット(あらすじ)を作ったのですが、どうもありきたりなストーリーしかできなかった」。以来、心の引き出しにしまわれていたアイデアが日の目をみたのは、2012年に刊行された『百年法』がきっかけだった。「新技術で不老を与えられるかわりに100年後に死ななければならない」という設定で、少子高齢化などさまざまな社会的問題を問うた。「『百年法』を書けたことで、以前から温めていたアイデアをものにできるのではないかと自信を持てた」