外務主導に異論
一方、日本政府内では外務省が主導権を握ってきた交渉スタイルに異論が出ている。今夏以降、外務省の伊原純一アジア大洋州局長ら交渉担当者が少なくとも4回の海外渡航を行っている。いずれも秘密裏に北朝鮮の国家安全保衛部員と会談した。マスコミに悟られないよう交渉担当者らが別々の空港から出発する念の入れようだった。政府内で会談の開催自体を明らかにしなかったケースもあり、関係者を困惑させた。
また、伊原氏が瀋陽での日朝協議で北朝鮮に残された日本人の遺骨問題をめぐり「墓参りは国の事業で行うことを検討している」と発言したことも波紋を広げた。事業を担うことになる厚生労働省内で意思統一ができていなかったからだ。
平壌での日朝協議では拉致問題に関する質問案の作成は、意外にも外務省ではなく内閣官房拉致問題対策本部が担当した。水面下では警察庁がバックに控える本部と外務省との主導権争いが激化しているようだ。(比護義則/SANKEI EXPRESS)