拉致被害者、横田めぐみさん(50)=拉致当時(13)=が1977年、北朝鮮に連れ去られてから15日で37年になる。今夏に始まった拉致被害者らの再調査の報告は今も伝えられず、めぐみさん救出への道筋は見えないままだ。積み重なった疲労のため、父の滋さん(82)と母の早紀江さん(78)は、年内の講演活動を休止することを決めたが、救出への思いは変わらない。体をいたわりながら、再会の日を祈り続けている。
年内の講演活動休止
「家族には訴えることしかできないから、できるだけのことはやってきた。本当に長い年月、毎日毎日、私たちがやるべきことをやってきたと思っている」
めぐみさん拉致から37年を前に、早紀江さんはこう語った。めぐみさんが北朝鮮にいるとの情報が明らかになったのは97年。それ以来、滋さんとともに早期救出を求める署名活動や講演に走り回ってきた。
活動を始めたころは世間の関心も低かった。「署名のために机を置こうとしたところ『机なんか置かないでください』と断られたこともあった」と、滋さんは振り返る。