アフリカ南西部ナミビアで絶滅危惧種に指定されているクロサイ1頭を狩猟する権利をオークション(競売)に掛けた米テキサス州の狩猟団体が、落札者に代金を返した上で競売を取り消す方向で検討していることが17日、分かった。団体はナミビア政府の委託で競売を実施。落札金は全額、ナミビア国内でのクロサイの保護に使われる予定だったが、希少種保護の名目で動物の命をカネに換えることへの批判が出されていた。ただ競売断念の理由は、米政府が仕留めたクロサイの国内持ち込みの可否について結論を先延ばしにしているためといい、そこには動物の命への尊崇の念はみじんも感じられない。
「落札金は希少動物保護に」
AP通信(電子版)などが米時間の16日に報じた。報道によると、競売を行った「ダラス・サファリ・クラブ(DSC)」が、国内持ち込みが拒否された場合、競売自体を無効にすると明言したという。競売は1月に行われ、米国人ハンターのコーリー・ノールトン氏が35万ドル(約4000万円)で狩猟権を落札していた。