ライン言及、退路断つ
首相が政権発足から2年、衆院任期を2年残したこの時期の解散を決断したのは、大目標である憲法改正も視野に、できるだけ議席を失わずに済むタイミングは今しかないと考えたためだ。
「政治とカネ」をめぐる閣僚の不祥事はあったものの、内閣支持率も自民党支持率も高い水準を保っている。野党の選挙準備が整っていないことに加え、首相が当初構想していた16年の衆参同日選を避けたい公明党の思惑も重なった。
また、首相は「2年で計5%も消費税を上げた先進国はない」と周囲に語るなど、増税に懐疑的だった。実際、増税によるデフレ圧力で7~9月期の国内総生産(GDP)速報値が2四半期連続のマイナス成長になり、景気は失速した。
自民党内には「財政健全化のためには断固、再増税すべきだ」という意見も根強かったが、首相はそれらを「精神論」と切り捨てた。
現在の安定した議席を減らす恐れがあるなか、首相は勝敗ラインにも言及し、自ら退路を断ち、かけに出た。(SANKEI EXPRESS)