【大人の時間】
大人の趣味の代表格といえば、囲碁と将棋。11月17日が「将棋の日」って知ってましたか? 昔のイメージはお父さん同士がパチリ、パチリ。でも、いまやコンピューターとの対局やスマホ配信、レディース教室など将棋界は日々進化している。将棋界の最前線を探るため、日本将棋連盟本部の入る「将棋会館」(東京都渋谷区千駄ケ谷)を訪ねた。
13日午前9時半、会館4階の特別対局室。特別対局室は、大部屋と違って最高段位の棋士が対局する特別な部屋だ。将棋盤2つが置かれ、この日は名人戦順位戦の森内俊之竜王対久保利明九段、谷川浩司九段(連盟会長)対木村一基八段の対局が予定されていた。
10時からの対局開始まで30分もあるが、正座をして一人待っているのは木村八段。ほとんど何も話さず、時折、集中力を高めるように下を向いて目を閉じる。
木村八段といえば、テレビ解説で、機知とユーモアに富んだおしゃべりで知られるが、今日はまるで別人。斬るか斬られるかの果たし合いに臨む剣士のよう。