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原点「存在しないもの」 変化した新作たち 小谷元彦展 椹木野衣 (3/5ページ)

2014.12.1 11:20

【小谷元彦展】「Terminal_Impact」(featuring_Mari_Katayama”tools”)2014年_サウンド:西原尚さん(表恒匡さん撮影、提供写真)

【小谷元彦展】「Terminal_Impact」(featuring_Mari_Katayama”tools”)2014年_サウンド:西原尚さん(表恒匡さん撮影、提供写真)【拡大】

  • 【小谷元彦展】「Terminal_Impact」(映像部分、提供写真)
  • 【小谷元彦展】「Phantom-Limb」(1997年)Countesy_of_YAMAMOTO_GENDAI(今回の展示はない、提供写真)
  • 【小谷元彦展】「Terminal_Documents」(ver2.0)2011年_サウンド:高嶋啓さん。心理学者ユング『赤の書』に触発されて、人間が視覚を失うとき最後に見る色が赤であるという仮定に重ねて作られた大型のインスタレーション=2014年11月23日(表恒匡さん撮影、提供写真)
  • 【小谷元彦展】「Terminal_Documents」(ver1.1)」2014年=2014年11月23日(提供写真)
  • 京都芸術センター=京都市中京区(提供写真)

 別の少女、同モチーフ

 そのときに制作した「ファントム・リム」に、小谷は震災後もう一度、挑むことで、作家として再出発しうる地点を探そうとしたのだろう。が、同作はもともと少女をモデルとする写真作品である。当時の人物はすでに成長してしまっていて使えない。小谷は新たに別の少女を選び、モチーフはまったく同一ながら、少しだけ心境の変化をそこに施した。初作のときは完全にコントロールしたポーズや表情の指定を、本人のなすがままにまかせたのである。

 執拗(しつよう)なまでの完璧主義者で知られる小谷にとって、これは大きな変化だ。ぱっと見にはわからないかもしれない。が、そこには制御不能な「なにか」を許容する心の表れがあった。震災という人智を遥(はる)かに超える出来事を経ることがなかったら、小谷はきっと、そんなことには頓着せず、前と同じことを繰り返していたかもしれない。言い換えれば、震災のあとでは偶然や制御することの難しさを取り込まない限り、もう作り続けることなどできない自分に気付いたのだろう。

最新作「ターミナル・インパクト」

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