サイトマップ RSS

原点「存在しないもの」 変化した新作たち 小谷元彦展 椹木野衣 (4/5ページ)

2014.12.1 11:20

【小谷元彦展】「Terminal_Impact」(featuring_Mari_Katayama”tools”)2014年_サウンド:西原尚さん(表恒匡さん撮影、提供写真)

【小谷元彦展】「Terminal_Impact」(featuring_Mari_Katayama”tools”)2014年_サウンド:西原尚さん(表恒匡さん撮影、提供写真)【拡大】

  • 【小谷元彦展】「Terminal_Impact」(映像部分、提供写真)
  • 【小谷元彦展】「Phantom-Limb」(1997年)Countesy_of_YAMAMOTO_GENDAI(今回の展示はない、提供写真)
  • 【小谷元彦展】「Terminal_Documents」(ver2.0)2011年_サウンド:高嶋啓さん。心理学者ユング『赤の書』に触発されて、人間が視覚を失うとき最後に見る色が赤であるという仮定に重ねて作られた大型のインスタレーション=2014年11月23日(表恒匡さん撮影、提供写真)
  • 【小谷元彦展】「Terminal_Documents」(ver1.1)」2014年=2014年11月23日(提供写真)
  • 京都芸術センター=京都市中京区(提供写真)

 あとはもう、堰(せき)を切って水があふれ出すように新作ができていった。台湾での個展はこうして、過去の小谷の履歴のなかでも、もっとも旺盛な制作の時期を記録するものとなった。そこには、炎や水、割れやすいガラスや風圧といった、本来なら造形には適さない、物質とも現象ともつかぬ素材がふんだんに投入されている。

 「断絶の円環」展の名のもと、2013年に台湾で発表されたこれら一連の作品は、残念なことに日本ではすべて未発表である。だから、「幽体の知覚」展を見た者が突然、今回の「ターミナル・モーメント」展に接したとき、微妙だが確実なその変化を前に、多少なりとも戸惑うかもしれない。が、震災前の2010年の小谷と2014年現在のかれとのあいだに「断絶の円環」を挟むことで、両者は意外なほどスムーズに繋(つな)がるのである。

 今回の展示のうち最大の見ものは、本展のために一から作られた最新作「ターミナル・インパクト」だろう。ターミナル・インパクトとは「ファントム・リム」ときわめて密接な関係にある。それは、足を切断したものが義足を装着して歩くとき、地面から伝わる本人にしかわからないわずかの衝撃のことを指す。

欠損は「幽体」の補填

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。

ページ先頭へ