日本の調査捕鯨船団の目視採集船「第3勇新丸」(右)に衝突してくるシー・シェパードの妨害船。暴力を止めようとしないシー・シェパードは年々、右肩上がりで支援者からの寄付金を増やしている=2010年2月6日、南極海(AP=シー・シェパード提供)【拡大】
この出来事は、これまで知名度が低かった欧州方面で、勢力を拡大していることを示している。SSの公式サイトによれば、ここ数カ月以内でも、SSはオランダで大規模なイベントを開催。ルクセンブルクのロックバンドはSSとのコラボで新曲を発表した。
SSは、クジラやイルカを捕獲する日本を野蛮なヒール役に仕立て上げ、有名人を使った広報戦略と虚偽だらけの告発で、環境保護や動物愛護に関心を持つ人々から寄付金を集めるビジネスモデルを確立した。支援者の多い米国、オセアニアに続き、欧州を新たな重要拠点、収入基盤にしようと狙いを定めている可能性がある。
日本の目視船にも妨害か
オーストラリアの公共放送ABCによれば、SSは今冬、南太平洋でのマゼランアイナメ(別名・めろ)の反密漁キャンペーンに乗り出す。すでに、妨害船は事実上の母港としているオーストラリアやニュージーランドの港から洋上に出向く態勢を整えている。