シンガポール店に約3年在籍し、腕を振るった伊藤卓也料理長(39)は「伝統的な京料理は基本、肉は使いませんが、和食文化にこだわらない先付けとして、日本人に親しまれているカツサンドを採用しました」と胸を張る。
「ぐじ(甘鯛)餅粉揚げ かぶら汁仕立」は、昆布だしで割った甘鯛のスープと、京都産のカブラの甘みと食感が絶妙だし、紅葉したモミジを配した美しいガラスの器に盛った淡路産の鯛や車海老、北海道産の本マグロなどの刺し身は、五感で秋の深まりを感じてもらいたいとの気配りが感じられる。
こだわり牛タン
そして「和牛牛タン柔らか煮」という再びユニークなメニューが。「ステーキなどだと驚きがないし、野菜や魚などの煮物も珍しくないので、牛タンを角切りにし、最もおいしい状態で煮ることにしたんです」と伊藤料理長。使っているのは最高級の飛騨牛の牛タン。なだ万が定義付ける「東京料理」の真骨頂といえるだろう。