アミノ酸は原子の構成が同じでも、「右手」と「左手」のように形が異なる立体構造が存在する。生物をつくるアミノ酸は、ほとんどが「左手型」だ。小惑星由来のアミノ酸も「左手型」が多ければ、生命の材料が宇宙から届いた可能性が高まる。
地球の海水も一部は小惑星によって運ばれたとみられる。水分子をつくる酸素や水素の同位体比が地球と小惑星で一致すれば、有力な状況証拠になる。
科学研究を統括する名古屋大の渡辺誠一郎教授(惑星形成論)は「地球がどのようにして命を育む星になったのかを理解するヒントが得られる」と話す。
また、採取した物質に含まれる放射性元素の年代測定により、小惑星の衝突時期などを特定すれば太陽系の歴史の解明に役立つ。
初代が失敗した探査ロボットの着陸も目指す。重力が小さい小惑星では、車輪を使うと跳ね上がって走行できない。このため東北大などが開発したロボットは、内蔵する重りを動かすなどの方法で移動を試みる。成功すれば小天体での移動は史上初となる。