すぐには音の発信源が見つからない。ぐるっと氷河を見渡すと、氷の塊が崩れ落ちる瞬間をとらえることができた。現地ガイドによると、氷河の崩落は夏季にあたる12月~3月により多くみられ、たくさんの観光客でにぎわうという。
≪疲れた体に染みこむ一杯≫
ペリト・モレノ氷河を歩くことができるトレッキングツアーに参加した。
アイゼンを装着して、ガイドの先導に従って歩く。一歩一歩ゆっくりと踏みしめるように歩くため、すぐに体が温まり寒さを忘れた。
始めは石や土がかぶった黒ずんだ氷ばかりだったのが、少し行くときれいな白に。いつしか周囲一面に真っ白な世界が広がり、思わず方向感覚を失ってしまった。
印象的だったのは、氷河の中にたまった水の美しさ。手袋を外して両手にすくって飲んでみると冷たくて、乾いたのどをやさしくうるおしてくれた。
現地ガイドによると、ペリト・モレノ氷河の氷は気泡が少なく透明度が高いため、青い光を反射し、「鮮やかなブルーに輝く」という。