こうした女性にまつわる発言が「失言」として取り上げられるたび、アラフォー、独身、子供なしという「当事者」の私は嫌な気分になる。発言内容が不快なのではない。報道の向こうに「女性はこの発言に怒るだろう」という思い込みが透けてみえるからだ。
社会保障の話をするときに「女性が産まない」という現状を避けて通ることはできない。肝心なのは、産まない理由がどこにあるか分析し、解決策を考えることだ。同時に、少子化社会では手厚い社会保障は不可能だという現実を広い世代に伝えることだ。
子供を産まない社会は、女性の責任でも若年層の責任でもなく、そうした社会を作った構成員全員の責任だ。支える世代が減れば、もらえる分は少なくなる。ただそれだけのことなのだ。
しかし、大票田である高齢者を前に、選挙戦で年金減額を公約する政治家は与野党ともにいない。失言うんぬんを指摘するより、こちらの方がよほど問題ではないか。(道丸摩耶/SANKEI EXPRESS)