関電は昨年7月の新基準施行当日に高浜3、4号機の審査を申請したが、地震、津波対策で難航した。規制委の指摘や計算ミスの発覚を受け、想定する津波を海抜2.6メートルから6.2メートルに引き上げた。8メートルの防潮堤を建設する。
耐震設計の目安となる地震の揺れ「基準地震動」では、当初の最大加速度550ガルに加え、新たに700ガルの地震動も追加した。事故対策では電源車や注水用ポンプを配備、水素爆発防止装置などを設置した。
高浜原発では、事故に備えて避難計画を策定する半径30キロ圏内に滋賀県や京都府の自治体も含まれるため、地元同意の範囲や手続きの進め方も焦点となりそうだ。
一方、大間原発の審査申請に向け、電源開発は、耐震設計の目安となる地震の揺れ「基準地震動」を高浜原発同様、450ガルから650ガルに引き上げた。想定する津波の高さも、4.4メートルから6.3メートルに見直した。2021年ごろの運転開始を目指す。