中国当局の認可によって2014年6月に新たに発行された中国の“公式地図”。「九段線」は台湾東岸に破線が1本加わり、何と知らぬ間に「十段線」へと進化を遂げていた=2014年6月27日、中国・湖南省長沙市(AP)【拡大】
中国の領有権主張を不当だとしてフィリピンが常設仲裁裁判所に起こした提訴で、中国による陳述書の提出期限が15日に迫る時期に報告書が公表されたことで別の意味を持った。
「中国の正当な主権や権益を否定し、フィリピンに助勢するもの」(中国メディア)と受け止められたのだ。
米政府としては、九段線の法的根拠を明確にさせることで、南シナ海の係争海域の岩礁を埋め立てて軍事拠点化を進めるなど「現状を変更する一方的な行動」(ラッセル氏)を進めるのを牽制(けんせい)する狙いがある。
中国はこれに加え、東シナ海上空に一方的に防空識別圏を設定し、西太平洋海域への進出ももくろんでいる。
九段線の法的根拠を否定するのはもちろんだが、中国の海洋進出に対して「米海軍がプレゼンスを維持し、航行と飛行の自由を主張する」(米太平洋軍の次期司令官に指名されたハリー・ハリス海軍大将)ことが決定的に重要になる。(ワシントン支局 加納宏幸(ひろゆき)/SANKEI EXPRESS)