だが、実際にはOPECの存在感の低下が浮き彫りになった。減産に踏み切れなかったOPECについて、石油連盟の木村康会長は「減産してもマーケットが動かないと判断したのでは」と、OPECが価格決定権を半ば放棄したと指摘する。
原油安で財政が厳しいベネズエラなどが減産を主張したものの、減産に踏み切れば米国の「シェールオイル」がその穴を埋めてしまう。原油価格の調整役だったOPECがもはや価格をコントロールできなくなっている実情を市場が見透かしたことで、原油相場は歯止めを失った。
これまでなら景気が上向きの米国の需要が、原油相場を支えた。だが「シェール革命」によって米国はむしろ原油安の震源へと立場を変えた。
衆院選の大勝で「アベノミクス」の再始動に動き出したばかりの安倍政権も、資源国の経済不安や金融市場の動揺が長引けば、景気回復に冷や水を浴びせられかねない。
政権基盤が安定し、本格的に規制改革や成長戦略の推進に乗り出すアベノミクスにとって、原油下落の「逆オイルショック」をどう乗り切るかが、大きな課題になりつつある。(SANKEI EXPRESS)