前半は前川がPKで先制して1-0で折り返したが、後半8分と10分の連続失点で一度はひっくり返された。それでも鈴木は「これからだと話した。諦める雰囲気はなかった」と語る。逆転の9分後に原田が決めて落ち着きを取り戻し、延長で森山が2得点。ゴールを決めた3人はいずれも主力として昨年の決勝に2年生で出場していた。
今大会の開幕直前に交通事故で負傷した河崎監督はベンチに入れなかった。それでも決戦を前にしたロッカールームに、メッセージが届いた。「君たちは悔しさを知っている学年。だから必ず日本一を取れる」。熱い言葉に選手たちが奮起。同点弾の原田は「監督に恩返しができた」と満面の笑みを浮かべた。
点取り屋の真価発揮
森山も「日本一を取るのが夢だった」と、感激の面持ち。丸刈りの11番にとって今大会初得点がチームを頂点に導く決勝ゴールに。延長前半の1点目はこぼれ球を拾って蹴り込み、試合終了間際の2点目は豪快なミドルシュートで決め、大一番で点取り屋の真価を発揮した。