中東地域を管轄する米中央軍のツイッターとユーチューブの公式アカウントが12日、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国(IS)」を名乗るハッカーに乗っ取られた。ハッカーは米国への“サイバー・ジハード(聖戦)”を宣言。バラク・オバマ大統領(53)がワシントンでサイバーセキュリティーに関する演説を行っていた真っ最中に起きており、政権の面目は丸つぶれ。ただ、ハッカーの戦闘能力は未知数。脅迫のために掲示した個人情報はネット検索で誰にでも入手できるものばかりで機密情報は漏れていない。専門家からは「稚拙なはったり攻撃」との指摘も出ている。
「米兵よ、背後に気をつけろ」
ISに対する空爆を指揮している中央軍のツイッターに異変が起きたのは12日午後0時半。画面にISの戦闘員とみられる人物が映し出され、「イスラム国を愛している」とのメッセージが現れた。
預言者ムハンマドの後継者を指す「カリフ」にちなんで「サイバー・カリフ」とも名乗ったハッカーは「米兵たちよ、われわれは来ている、背後に気をつけろ、イスラム国より」「われわれは既に、お前たちのパソコンの中にいる」といった脅迫のつぶやきを書き込んだ。