フランスの週刊紙銃撃事件は9日、治安当局による容疑者射殺でひとまず「解決」した。しかし事件後、国内各地でモスクへの襲撃が相次ぐなど反イスラム感情の高まりに懸念が拡大。国民の連帯を望む市民らは事件後もなお「われわれは(テロリストに)敗北した」と複雑な心情を漏らした。一方、容疑者が立てこもった印刷工場では、流し台の下に隠れた男性が中の様子などの情報を警察に携帯メールで送信して生き延びた。もう一つの現場となったユダヤ系食料品店では男性が幼い子供を連れて冷蔵室に駆け込み、助かった。
フランス通信(AFP)によると、風刺週刊紙「シャルリー・エブド」の本社を襲撃した実行犯のクアシ兄弟が印刷工場に立てこもった時、従業員のグラフィック・デザイナーの男性(26)は、上の階の「社員食堂の流し台の下」に隠れた。容疑者兄弟に見つからずにすんだ男性は恐怖を吹き払い、外にいる警察と携帯メールでやりとりを開始。「自分が建物内のどこにいるかなど、作戦支援につながる情報」を送った。男性からは容疑者たちの会話も聞こえたため、外の警官隊に有益な情報を送ることができたという。
食料品店では、アメディ・クリバリ容疑者が店に押し入った際、店にいた30代の男性が3歳の息子を連れてとっさに店の冷蔵室に身を隠した。この親子の他に3人が一緒に隠れたという。父親は息子を冷蔵室の寒さから守るため、自分の上着を脱ぎ、それでわが子をくるんだ。5人は冷蔵室内に5時間近く隠れて無事だった。