インディーズからデビューしたものの、実力は折り紙付きで、昨年6月にはキャピタル・ジャズ・フェスティバルなる音楽祭でエリカ・バドゥやジョン・レジェンドのオープニングアクトを務めた。ポートランドで行われたスティービー・ワンダーの誕生日会にも招待され、本人の前で歌声を披露しただけでなく、彼との共演も果たしている(ジャロッドは、スティービーの“ソングス・オブ・キー・オブ・ライフ”に衝撃を受け、シンガー・ソングライターを志したのだ)。
ジャズ、ラテンまでも
甘いマスクに、華麗なコーラスワーク。ジャズやソウルを基調にしながら、R&Bやラテンまでを網羅した多彩な音楽性…。ダンスミュージックとしてフロアで支持され頭角を現したジャロッドだが、ポール・ウェラーやジェイ・ケイの後継となりうるブルー・アイド・ソウルの新星と評することができるのではないだろうか。今後はAORのファンまでを取り込んで、往年のダリル・ホールやドナルド・フェイゲンのように、洗練されたポップミュージックとして世界でブレークする可能性も秘めているとさえ言えるだろう。